奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知ってーUDデジタル教科書体 開発物語 [ 高田 裕美 ]

お題「この前読んだ本」

奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語 奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語

内容紹介(出版社より)
■読み書き障害でも読みやすいフォントが生まれるまでのノンフィクション!

 UDデジタル教科書体の完成から3年が経った頃、私は仕事の関係で、障害のある子どもの教育や就労を支援している会社を訪れました。
 そこでは発達障害、学習障害、ダウン症といったさまざまな困難を抱える子どもたちを支援する学習教室を運営していたのですが、あるベテランの女性スタッフの方が、こんな話をしてくれました。
「うちの教室に、ディスレクシアの小学生の男の子がいるんです。その子は普通の本や教科書では文字がうまく読めなくて、『どうせおれには無理だから』って、いつも途中で読むのを諦めていたんです」
「それで、あるときUDデジタル教科書体のことを知って、試しに教材のフォントを変えてみたんです。そしたら教材を見た瞬間、その子が『これなら読める! おれ、バカじゃなかったんだ!』って。暗かった顔がぱあっと明るくなって、その顔を見たとき、私、思わず涙がこみあげてきてしまって。その場にいたスタッフ皆、今まで男の子が悔しい思いをしてきたのを知っていたから。みんなで男の子の周りに集まって、泣いてしまいました」(「はじめに」より抜粋)

ー足掛け8年。教育現場で大活躍しているフォントを作った書体デザイナーの情熱の物語。
多様性の時代における教育・ビジネスのヒントになる感動の一冊!
・はじめに
・第1章 私が書体デザイナーになるまで
・第2章 写植からデジタルの時代へー師・林隆男氏のもとでの修行と突然の別れ
・第3章 「社会の穴」を埋めるフォントを作れ!-TBUDフォントの完成と会社の解散
・コラム1 誰一人取り残さない学校や社会を実現するために(慶應義塾大学経済学部教授 中野泰志)
・第4章 教育現場で使いやすいフォントを追求するーUDデジタル教科書体リリースまでの長い道のり
・コラム2 UDデジタル教科書体が切り拓いた新しいフォントの可能性(モリサワ 営業部門 シニアディレクター兼東京本社統括 田村猛)
・第5章 フォントで誰もが学習できる環境を作るー読み書き障害の子どもたちにUDデジタル教科書体を届ける
・コラム3 “できない子”と勘違いされる子どもたちを減らしたい(大阪医科薬科大学附属LDセンター オプトメトリスト 奥村智人)
・特別章 フォントができることーUDデジタル教科書体の活用現場から
・おわりに

What)これは何のための本か?

あの「UDデジタル教科書体」の本。

 

Why)この本を読む理由は何か?

twitterでバズっていたときから開発者を尊敬していて、書籍になったと知ったから。

 

How)この本が伝える解決法は何か?

「チョイダサ感」があり限定的にしか使わなかったUDデジタル教科書体ですが、もっと積極的に使っていくことを決意しました!

総評

windowsマシンでも普通に入っている、UDデジタル教科書体についての開発秘話です。

ホント、涙なしには読めない。

紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場 [ 佐々涼子 ]」や「虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡 [ 小松 成美 ]」 か、それ以上に、感動しました。

 

フォント制作には、どれも熱い想いがこもっているはずです。

UDフォントは、もちろんのこと!

そんなフォント制作について、この本が出たことが、認知拡大のきっかけになりました。

フォント制作について知ることができ、本当に読んでよかったです。
というか、知ってしかるべしだけど、今まで読んだ本にはここまでの濃さがなかった!

これも、この本の大きな功績であります。

 

UDデジタル教科書体の「チョイダサ感」を、正しく活用していきたいと決意しました。

今年の出版1冊目は、UDデジタル教科書体で行きます。

今週のお題「2024年にやりたいこと」

↓本のあらすじはコチラでどうぞ

奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語