内容紹介(出版社より)
生きていることのすべてが
装幀の素材になっていた。一万五千点余の本を手がけた
稀代の装幀者が語り下ろした、
本と装幀への思い「何かアイディアがなくても、菊地のところへもって行けばなんとかしてくれる」というのは、……反射板みたいな「菊地信義」なんです。当時、四十代半ばから五十代にかけてのころは、大袈裟にいえば、日々生きていることのすべてが装幀の素材になっていた。朝、銀座の松屋のショーウィンドウで見たものが即素材になったり、画廊で見た版画にインスピレーションを受けたり、特に意識していないものの、目に入ってくるモノすべてがどこかで手掛けている装幀に結びついてくる。それは自分が作る以前に、見えない小説の世界を見えるものにする装幀者として、あくまでも「見る人」だからなんです。(本書「裏のない紙 装幀余話」より)
序 装幀の余白から
1 裏のない紙 装幀余話
2 単行本未収録エッセイ・対談
解説 水戸部功
解題
What)これは何のための本か?
本の装幀(装丁)の大家による本。
Why)この本を読む理由は何か?
「おすすめの本だから読んでみてね」と、現物貸してもらいました。
How)この本が伝える解決法は何か?
失われつつある「原点の技法」や「仕事のやり方」が書かれていて、本に何らかの形で携わる者にとってはすごく勉強になります。
総評
まず、この本は佇まいが、美しいんですよ。
偶然、東京都下にある大型書店でも見かけたのですが、陳列棚にあってもやっぱり美しい。
本編。
著者の菊地信義さんが手掛けてきた装幀が多数紹介されています。
その作品とともに、「どのようにして作られた(撮影して紙面に落とし込んだ)のか」「装幀の仕事はどんな風に進めるのか」などが書いてあるのですが、「いいものがなぜいいのか」という理由がしっかりとしているのです。
現在ではPC上で、タタタターーーと作られる本が多いです。
そのおかげでコストも下がっていろんな本が出るようになっているため、いいことなのですが……
お手軽さを狙ったそれらとは一線を画する格調の高い本は、やっぱり違う。
「『ランクの高い、すごい本』はこうして作られるんだ!」という世界を垣間見ることができました。
圧巻です。
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