発達障害は専門医でも誤診が多いんですと…:発達障害 (文春新書) [ 岩波 明 ]

この本を読んでいちばん残念に思ったことは、 「発達障害は、専門医でも誤診が多い。  有名な病院・医師の診断を経た患者でも、著者の診断でちがうものと診断されることが少なくない」 ということです。 うーん。 「専門医(しかも著名な医師)でも診断が難しい」のだとしたら、もっとその事実が認識されていなくてはならないのではないでしょうか。 「『がん』といったら難しい病気で、死ぬことだって珍しくない」 「インフルエンザになったら、すぐにタミフル/イナビルもらわんとね。なめてると死ぬし」 くらいの一般的理解度がないと、発達障害で病院にかかる人も、周囲で接する面々も、困ることが出てきますよね…。

twitterって、わりとADHD(注意欠陥・多動性障害)やアスペルガー症候群、それからうつ病のの話題が多いではないですか。 この本によると、ADHD/アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム障害(ASD)による対人関係のストレスからうつ病を発症することも、メジャーだそうです。 年間死亡者数でいうと、インフルエンザが1,000人くらいで、もうつ病の自殺者が6,000人くらい? いずれも正確にカウントする術がないので実情はわかりませんが、うつ病はインフルエンザよりもヤバいという雰囲気は十分に感じられます。 もしADHDやアスペルガーに対する社会の理解が深まって、適切な対応をすることができたら…… 自殺者が減らせるんじゃないかと思うのでござる。 ↓そうねボタン(押していただけると励みになります) にほんブログ村 子育てブログ 共働き育児へ にほんブログ村 その他生活ブログ 節約・節約術へ にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
【内容情報】(出版社より) 「人の気持ちがわからない」「同じ失敗を繰り返す」「極端なこだわり」…… ASD、ADHD、アスペルガーの謎に迫る! 近年、ドラマや小説の主人公に「発達障害」を思わせるキャラをよく見かける。 たとえば2016年にヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)の主人公・津崎平匡。彼は高学歴だが対人関係が苦手で応答が画一的、些細なことへのこだわりが強い、という設定。アメリカの人気ドラマ『クリミナル・マインド』の主人公リードは、FBIのエリート捜査官で、IQ187。彼は飛び級を繰り返してカリフォルニア工科大学で数学、化学、工学の博士号を取得し、驚異的な記憶力と分析力で難事件を解決する。しかし、他人の気持ちがわからず、空気が読めないため、周囲からは煙たがられている。 こうした発達障害の特性をもつキャラがポピュラーになった影響か、精神医療の現場では「自分は発達障害かもしれない症候群」がみられる。「他人の気持ちがわからない人」「空気が読めない」ことを家族や同僚から指摘され、外来を受診する人が増えているのだ。実際、人口の約5~10%が該当するという研究報告もあり、周囲にこんな人がいる、と思い当たる人も少なくないだろう。 その一方で、誤解も蔓延している。動機が不可解な少年犯罪や猟奇的な事件で、根拠もなく「アスペルガー症候群」との関連が不適切に取り沙汰されたこともある。 本書は、日本初の「発達障害のためのデイケア」を運営する病院長が、 ○発達障害とは何か?(正しい知識) ○彼らが抱えている問題は何か?(課題) ○どのように社会が受け入れていくべきか?(社会の対応) ……を、豊富な症例をもとに、初心者にもわかりやすく解説した作品だ。 事件の精神鑑定の裏側、天才(驚異的な記憶力、共感覚など)、歴史上の人物の例など、興味深い症例も盛りだくさん。 新年度を控えていろいろな人との出会いが増える中、必読の一冊だ。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 人の気持ちがわからない、空気が読めない、同じ失敗を繰り返す…それは発達障害かも知れません。日本の医学界きっての専門家が、疾患の種類、豊富な治療事例を懇切丁寧に解説します。 【目次】(「BOOK」データベースより) はじめに なぜあの人は「空気が読めない」のか?/第1章 ASD(自閉症スペクトラム障害)/第2章 ADHD(注意欠如多動性障害)/第3章 ASDとADHDの共通点と相違点/第4章 映像記憶、共感覚、学習障害/第5章 天才/第6章 アスペルガー症候群への誤解はなぜ広がったか/第7章 発達障害と犯罪/第8章 発達障害を社会に受け入れるには/おわりに 発達障害とどう向き合うか 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 岩波明(イワナミアキラ) 昭和大学医学部精神医学講座主任教授(医学博士)。1959年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業後、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学精神医学教室准教授などを経て、2012年より現職。2015年より同大学附属烏山病院長を兼任、ADHD専門外来を担当。精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究などを主な研究分野としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)