内容紹介(出版社より)
タイ、沖縄、韓国、寒川(神奈川)、大久野島(広島)--
あの戦争で「加害」と「被害」の交差点となった温泉や銭湯を各地に訪ねた二人旅。ジャングルのせせらぎ露天風呂にお寺の寸胴風呂、沖縄最後の銭湯にチムジルバンや無人島の大浴場……。
至福の時間が流れる癒しのむこう側には、しかし、かつて日本が遺した戦争の爪痕と多くの人が苦しんだ過酷な歴史が横たわっていた。■タイ…………ジャングル風呂と旧泰緬鉄道
■沖縄…………日本最南端の「ユーフルヤー」
■韓国…………沐浴湯とアカスリ、ふたつの国を生きた人
■寒川…………引揚者たちの銭湯と秘密の工場
■大久野島……「うさぎの島」の毒ガス兵器嗚呼、風呂をたずねて四千里ーー風呂から覗いた近現代史
What)これは何のための本か?
温泉・銭湯と戦争遺跡を巡る、ルポルタージュ。
Why)この本を読む理由は何か?
雑誌で、寒川の海軍相模工廠の毒ガスについて扱っていると紹介されていたので。
How)この本が伝える解決法は何か?
今だからこそ伝えられ、書籍として残されるべき、価値が高い珠玉の一冊。
渾身のルポルタージュにスタンディングオベーション。
総評
これすごい。今年読んだ本ベスト10入り確実。
太平洋戦争終結から70年以上を過ぎた今だからこその内容です。
風化したもの、のこったもの。
色々なことを考えずにはいられません。
「考えさせられる」は、良書の証です。
安田 浩一 さん、金井 真紀さん、2名の視点で語られているところも、深みが増すポイント。
最初の取材から、たぐり寄せられるように各地を巡っていくという流れがすごくイイです。
イラストもすごく良いアクセントです。
私も今年、この本にも登場した神奈川県高座郡寒川町の毒ガスの話が入った書籍を出す予定なのですが、もっと早くこの「戦争とバスタオル」を読んでおきたかったです。
web連載の書籍化なので、執筆当時にこの本を読んでいたら、もっと熱意を込めて取り組めたなぁ、と。
気づけば私もいい歳です。
市民たちの記録集みたいな「街を振り返るもの」をみんなで残していきたいと思いました。
今週のお題「自由研究」
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