今週のお題「名作」
落合恵子さんの翻訳絵本です。
日本では人種の構成的な問題で多くの共感が得られないかもしれませんが、間違いなく名作。
内容紹介(「BOOK」データベースより)
ジェイは元気いっぱい。やさしい家族と大好きな友だちと、未来への夢と。ほかになにがいる?早く大きくなりたくて、しょっちゅう背をはかってもらうけれど、1センチ伸びるごとに、ママはなぜか悲しそう。大きくなるにつれて、パパもおばあちゃんもおじいちゃんも、ジェイにおかしな注意をするようになって…。アフリカ系アメリカ人の子どもたちが、ある年頃になると、かならず家族から伝えられる「してはいけないこと」。「トーク(話)」と言われるその約束を、差別と偏見による暴力からいのちを守るために、子どもたちは覚えなければなりません。こういった人種差別に気づき、声をあげることは、自分のすぐ近く、自身もその中にいるコミュニティにある差別とまっすぐに向かい合うことでもあります。逃げないで、目をそらさないで!わたしたちの問題です。2023年「コレッタ・スコット・キング賞」オナー賞受賞作品。
What)これは何のための本か?
アメリカで暮らすアフリカ系の黒人少年が成長する過程で、差別の波に飲み込まれていく話。
Why)この本を読む理由は何か?
最近発行された翻訳絵本の中で、特に評価が高いと知って。
How)この本が伝える解決法は何か?
日本人はおしなべてマナーが良すぎるためピンとこないかもしれないけれど、他のことに置き換えたらわかるのかもしれません。
総評
アメリカで暮らすアフリカ系の黒人少年が主人公。
なので、日本育ちの日本人には、ピンとこないかもしれない。
大好きなおじいちゃんや両親が、成長するにつれて主人公やその友達に「黒人ならではの、疑われないためのルール・生き方」を伝えていきます。
内容的には、
「白人の子がするにはなんらマナー的な問題もない行為でも、
黒人の子がやってはいけないことになっている」
と、捉えてください。
しかしながらコレが、日本の文化的にはピンとこない具体例が多くて。
惜しい、実に惜しい。
大人が読んだら「そうだな、差別だな」と考えさせられるものですが、小学生がストレートに読むと「イマイチ理解できない」という結果に。
日本で人種差別を考えるとしたら、どんなテーマになるのか、どんな具体例をもってくるのか。
作品づくりの意味でも、考えさせられました。
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