革命の血 [ 柏木 伸介 ] | 視覚障がいに配慮したデータ利用ができる読書バリアフリーおすすめ作品

今週のお題「卒業したいもの」

仕事が混みすぎていて、読む → 書く のサイクルがなかなか保てません。

人生をもっとゆとりあるものにできるよう、慌ただしさから卒業したいです。

 

本日は、楽しみにしていたこちら。

革命の血

内容紹介(「BOOK」データベースより)

平成末期の2019年、神奈川県警の元公安刑事・吾妻仁志が爆殺された。吾妻が生前追い続けていた過激派組織“日反”の関与が濃厚だという。爆弾闘争を繰り広げた日反は幹部らの中東逃亡や内部分裂を経て、事実上の休眠状態だった。なぜ今になって?平成元年の1989年、横総大の学生・沢木了輔は吾妻の命を受ける形で、同大の日反組織を監視していた。接近したのが日反幹部の娘とされる月原文目だ。沢木は文目とともに警視庁と合同で立案されたプロジェクトに深入りしていくも、悲劇とともに計画は頓挫した。改元前夜、血塗られた30年前の計画に、公安刑事となった沢木が分け入ると官邸、警察、過激派、それぞれの思惑が絡まった国家の陰謀が見えてきた。相次ぐ関係者の死、行方をくらました日反幹部の出現、そして裏切り…ノンストップで展開する新時代のハードボイルド、ここに完成!

What)これは何のための本か?

公安(神奈川県警中心)と日本テロリストのハードボイルド小説。

 

Why)この本を読む理由は何か?

クルス機関のシリーズが面白かったため、同じ作者さんの本を。

1の評価が高いのですが、2・3もハードボイルドでオススメ↓

 

How)この本が伝える解決法は何か?

導入、アンホ爆薬を搭載したスターレットの炸裂により、俺氏勝手に盛り上がる。

総評

全体を通して、楽しみながら読める公安(神奈川県警というところがミソ)もの長編ハードボイルド小説です。

タイトルは、ストーリーが暗示されているため、最後まで読んで「フアー」と納得してください。

という感じで、登場人物たちにミステリー小説要素もあり、このミスつながりで手に取った方にも読み応えがあるのでは。

時事的に、桐島聡逮捕(いたの藤沢で驚き)やパレスチナ問題もあり、読む人の納得感は十二分と思われます。

あと、細かいところ! グッとくるポイントが多いです。

 

本編とは直接関係ないけれど、驚いたこと

最後の方に、出版社からのお知らせページが。

視覚障がいや肢体不自由などの理由で印刷物の読書が困難な方のために、申請するとテキストデータがダウンロードできるそうなのです。

国立国会図書館が点字本制作のためにデータ提供をしている以外に、出版社も読書バリアフリーの活動をしているんだと、嬉しくなりました。

たとえば視覚障がいに配慮した大活字本というものがあるのですが、ラインナップは限られていて。
(かなり偏っている)

色んな作品に触れたい方には、物足りなくてしょうがないと思います。

 

今回の「革命の血」も、テキストデータを活用すれば、たとえばiPadで文字を拡大して読んだり、自動読み上げで聞いたりすることができます。

日本国内でのテロ活動が盛んに報道されていた時期を経て、現在は視力が通常の域ではなくなってしまった方も、当時を回顧しながらの読書体験が可能になるのではないでしょうか。

 

↓本のあらすじはコチラでどうぞ

革命の血