内容紹介(「BOOK」データベースより)
Q県警本部捜査第二課の刑事・猿渡朗希は、自他ともに認める県警一の色男で、鏡に映る自分に見惚れている。だが、そんな彼の平穏な刑事生活を脅かす存在が現れた。警察庁からキャリアとして着任した課長の神木彩子ーサイコだ。猿渡の高校の同級生だった彼女は、10年前と変わらぬ苛烈さを持っていた。彼女を警戒した刑事部長は、猿渡に監視役を命じるが…。汚職まみれの県警に、サイコが旋風を巻き起こす、書き下ろし長篇。
What)これは何のための本か?
警察小説で、県の選挙と警察と地元企業と、といった「ぐるっと」汚職にまつわる話です。
Why)この本を読む理由は何か?
「クルス機関」の柏木伸介先生の新刊が出たと知り。
How)この本が伝える解決法は何か?
選挙、汚職・癒着!……を、キャリアのサイコさんがひっくり返していきます。
最後の仕返し(?)が、なかなかに良かった。
総評
警察ものの女性&男性コンビですぐ浮かぶのは、「ドS刑事/ 七尾与史」や「謎解きはディナーのあとで /東川篤哉」です。
しかしこちらの作品は、男性刑事(あだながロミオ)がめっちゃ嫌われ役。
そして主人公がこの彼。
サイコさんについての行動描写は少ないのです。
……という、クルス機関の来栖さんとはぜんぜん違うタイプの主人公ですが、面白いのは地方県の選挙・政治と各機関・企業の癒着の図式です。
「へ〜〜」という内容だったし、こうやってエンタメ小説で雰囲気を知れるというのは、考えてみれば結構お得なことです。
こんな風に社会を、ほどよく かつ リアルに「チクチク」する小説、いいですね。
つい、「特捜部、一課、公安」等のあらすじワードで題材の小説を読んでしまいがちですが、選ぶときの視野を広げてみると楽しくなりそうです。
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