【胸を深くえぐる傑作短篇集】この部屋から東京タワーは永遠に見えない [ 麻布競馬場 ]

 

内容紹介(出版社より)
東京に来なかったほうが幸せだった?
Twitterで凄まじい反響を呼んだ、虚無と諦念のショートストーリー集。

「3年4組のみんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。大型チェーン店と閉塞感のほかに何もない国道沿いのこの街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話をします。」(「3年4組のみんなへ」より)

「『30までお互い独身だったら結婚しよw』。三田のさくら水産での何てことのない飲み会で彼が言ったその言葉は、勢いで入れたタトゥーみたいに、恥ずかしいことに今でも私の心にへばりついています。今日は、彼と、彼の奥さんと、二人の3歳の娘の新居である流山おおたかの森に向かっています。」(「30まで独身だったら結婚しよ」より)

14万イイネに達したツイートの改題「3年4組のみんなへ」をはじめ、書き下ろしを含む20の「Twitter文学」を収録。

What)これは何のための本か?

東京にまつわる短編集。

 

Why)この本を読む理由は何か?

話題の本として。

 

How)この本が伝える解決法は何か?

久々に「ものすごいものを読んでしまった」というのが感想です。

総評

これはすごい。

近隣県民が読んでも、地方民が読んでも、胸を深くえぐられる傑作短篇集です。

一つ一つがあるある。

「そういう話、ある」という物語なんですが、この次々と語られていく一人ひとりのエピソードの表現がすごいし、これだけ発信してもまだまだ「人の数だけ心情あり」と痛感させられる勢いもあっぱれ。

 

全然いい話じゃないんですけれど、読んでよかった。

2022年の私的ベスト10に入りそうです。

 

駄菓子菓子、私は地元を愛してヘラヘラと生きています。

横浜のお姉さまが言ってたけれど、神奈川県民ってやっぱりいいものです。

 

↓本のあらすじはコチラでどうぞ

この部屋から東京タワーは永遠に見えない [ 麻布競馬場 ]