What)
東北から来たある人物の一生。
Why)
3.11を反芻する1冊として。
How)
上野が東北の玄関口だということと、ここへ出稼ぎで引越してくる人。その意味合いを知る。
話題作、全米図書賞受賞。
話は濃いのに、するすると流れるように読み終えることができる1冊です。
字が大きめで、余白が広く、ページ数の割に文字数が少ないのです。
柳美里さんは、これで初めて読みました。
(法学徒なら知らぬものはいない「石に泳ぐ魚」(プライバシー権)事件の判例となった、作者さん)
しんみりと、淡々と進む物語です。
いつもそうなのかな?
でも最後まで読んで納得です。
大騒ぎするのではなく、静かに幕が閉じていく系の話でした。
舞台はそんなに昔ではなく、昭和後半から現代。
自分の住んでいる地方以外の暮らしって知ることがなかったけれど、こういう生活もあるんだなぁと。
たとえば「東北地方の貧しい村」というと、大正時代以前を思い浮かべてしまったりするんですが…。
すごく新しい発見でした。
また、3.11を反芻するという意味でも、「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」や「血の雫 [相場英雄]」と並ぶ、印象深い本になりました。
今週のお題「引っ越し」